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プラタナス施設在宅医療部の紹介

プラタナス施設在宅医療部のご紹介

医療法人社団プラタナスは2000年の創業時より「患者様視点の医療サービス」の提供と、「医療者の理想」の実現を理念として運営してきました。私たちの「施設在宅医療部」は、同法人内の一部門として同じ理念を掲げ、2004年より「施設在宅」に取り組んでいます。

プラタナスの「施設在宅医療部」は、松原アーバンクリニック(世田谷区)と鎌倉アーバンクリニック(鎌倉市)に設けられており、老人ホームを終の住処とされている高齢者を対象として24時間、365日の体制で訪問診療を実施しています。
担当地域は、東京都では西地区(世田谷区、目黒区、狛江市)を中心に一部その他地区(板橋区、大田区)で、神奈川県では横浜市を中心に一部周辺地域(川崎市、鎌倉市、大和市、葉山町)です。担当しているホーム数は約30カ所、患者さんの総人数は1000人を越えました。担当している医師は全部で13人(うちプラタナスの常勤医師は7人)です。

一般的に24時間、365日の体制で訪問診療を行ない、患者さんを診続けることは大変なことです。しかし、私達は「患者さんと医療者の双方に満足が得られるシステム医療」を目指し、各種仕組を整備することにより、「続けられる」体制を構築しました。
具体的な目標としては、

  1. 質の高い医療とサービス
  2. 医療と介護の連携
  3. ご家族に開かれた医療
  4. があり、それを実現するための仕組みとしては、

  5. グループ診療
  6. 有床診療所等インフラの整備
  7. 地域病院との連携
  8. があります。


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施設在宅医療部の目標

質の高い医療とサービス

「質の高い医療」とは、現代では、「高い治療効果を目指した、エビデンス(臨床結果)に基づく標準化した医療」という意味合いが強くなって来たと思います。しかし私達は「在宅」、特に「施設在宅」における「質の高い医療」とは、必ずしも上記を杓子定規にあてはめるものではないと思っています。

施設在宅において求められる医療は、殆どの高齢者がもっている慢性的な疾患をコントロールし、重大な疾患を予防し、万が一の場合を予知し、地域の医療資源も使いながら大事に至ることを防ぎ、患者さんが生を全うすることを手助けすることです。訪問診療時に持って行ける検査機器は限られているので、医師としての想像力を駆使しながら、患者さんが余生をどう過ごしたいかを良くお聞きし、健康状態を維持する手助けをすることになります。その場の状況、患者さんの意向により、「正しい医療」は何通りも存在します。ここでは、検査機器に頼りがちな技術ではなく、人間として、その人らしい生き方を一緒に考え実践する医療が存在すると思っています。

医療と介護の連携

「ここまでが医療、ここからが介護」といのは制度が人為的に決めたものです。本当はその間には切れ目がなく、繋がっていなくてはなりません。実際やってみると難しい点もありますが、プラタナスでは良い「医療と介護」の連携を目指しています。訪問診療先の有料老人ホームは、極めて真面目に介護に取組んでおり、如何に「医療と介護の連携」を向上させるかについてもトップ自ら話し合いに加わってもらっています。また現場でも各層に亘って介護職、看護師とのコミュニケーション重ねながら良き連携を目指して活動しています。

ご家族に開かれた医療

老人ホーム等にご入居されている患者様の特性として、ご家族と離れて暮らしているということが上げられます。
ご家族と同居されている一般的な在宅医療の場合は、診療の場にご家族が立ち会っているので、認知症等でご自分で意思決定がしにくい患者さんでもその場その場でご家族に確認を取りながら診療を進めていくことができます。また、病状が進んでも、ご家族が終始ご覧になっているため「何故、突然?」というような驚きは防げます。

しかし、施設在宅の場合は、ご家族が同居されておらず、いつも診察に立ち会うこともできないため、そのままでは患者さんの変化についてご家族が把握しきれないこともあります。そこで、当院では月に一度、患者さんの了解を得たうえで、病状等を記載した「ご家族報告書」を発送し、情報の共有を図り、ご家族のご心配に対応する体制をとっています。

プラタナスでは元々、カルテの完全開示を推進しており、用賀アーバンクリニックの外来部門では電子カルテの内容を印刷して毎回の診察終了後にお渡しするだけでなく、セキュリティを整備したインターネットを通してご自分のカルテにアクセスする仕組みを導入しています。外来部門ではカルテの完全開示により、患者さんとの信頼関係が強化されました。施設在宅部でも同じくご家族との信頼関係の強化を目指しています。

尚、「ご家族報告書」以外にも、当院ではご家族と主治医ができるだけ顔を合わすことと、重大な相談事に関しては直接面談もしくはお電話でお話しするようにしています。頻繁なコミュニケーションによる開かれた医療がプラタナスの目指す姿です。

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施設在宅医療部の仕組み

グループ診療

仮に主治医として、担当している患者さんを24時間、365日診たいと思っていても、現実的にはそれは非常に難しいと思われます。プラタナスでは各部門でグループ診療を推進しています。グループ診療とは、複数の医師がグループとなり、お互い専門的な能力を共有しながら、シームレスにサポートし合う理想の医療体制だと信じています。

例えば、コール(電話)対応は、お互いサポートし合い、「ファーストコール」、「セカンドコール」、「サードコール」と役割分担する仕組みを作っています。このため主治医(ファーストコール)が取れなくても、セカンドコール、サードコールの医師が対応します。臨時往診に関しても同様で、主治医が行けない場合も、みんなでサポートし合い、対応する仕組みとなっています。

現在、施設在宅医療部に所属している医師は13人(そのうちプラタナスの常勤医は7人)います。専門も内科(消化器、循環器、呼吸器等)、外科と多岐に亘っています。またネットワークの医師も、整形外科、精神科、認知症や緩和ケアの専門家等多岐に亘ります。医師会議等で意見の交換がなされることで、多くの視点から患者さんの状態を把握することができます。

有床診療所等インフラの整備

松原アーバンクリニックには施設在宅医療部の他に、18ベッドの有床診療所もあります。夜間も医師および看護師が2名以上常駐し、病院等ではなかなか受けてはくれない軽度や回復期の患者さんや、緩和ケアを必要とするターミナルの患者さんの入院に対応しています。有床診療所なので、当然病院とは異なり受入れられる患者さんの病状には限度がありますが、ちょっと気になる患者さんを安心して預けられるという意味では心強い存在だと思います。松原アーバンではレントゲン検査、腹部超音波検査、上下の内視鏡の検査、大腸の小手術、胃ろうの作成等も行ないます。

また現在、施設在宅医療部では「在宅コールセンター」の構築を計画しています。「在宅コールセンター」は医師をサポートする機能で、主治医の指示に基づき患者さんの病状に合わせた病院をさがすことや診療情報提供書の作成を行ないます。

地域病院との連携

在宅医療を行なうに当たって、最も心強いのは地域の病院とのネットワークが出来ていることです。医療費削減の影響を受け病院数、病床数は減少していますので、全ての地域で「必ず取ってくれる病院」を確保することは不可能ですが、施設在宅医療部では担当の地域ごとに地域の病院との連携体制を築いています。連携先の病院は元々プラタナスとの関係があった病院や、ホームが患者さんをお送りしていた病院との関係維持だけでなく、施設在宅医療部として必要な地域には連携病院の開拓を行っています。一部の病院では、院長先生に直接携帯電話でお電話し、必ず取って頂けるよう、太いパイプを構築しています。今後、お送りする患者さんやお互いの情報交換が密になるにつれ、強い関係が持てる連携先病院が増えて来ると考えています。